2007年07月18日

プリンセス・マーメイド 『人魚姫』

商業ミュージカルなんか観に行っても、テレビ映画観てても、
「悲劇」ってのは、最近とんとお目に掛からなくなりました。

「願望が成就されない」結末。

「成就されない」にしても、色んなパターンありますが、

要するに「悲劇鑑賞」とは、  


「OOできなかった」結末の後に漂う『ジワジワ

感』を、

ワインの味・香りを味わうが如くに堪能?する

体験



だと、思ってます。


ですので、解り難いんであります。

我らが先輩・金城功出演の『人魚姫』は「悲劇」です。

主人公、まさに人魚の国の王女は愛する男の為に海の泡になることを
選びます。
児童劇としては、非常に珍しい結末であろうかと思います。

でも、小生は東少の作品の中では好きな作品です。
「愛・希望・夢」とぶち上げる作品群の中で(勿論・大事な事ですが)、「成就しない恋」というか、
「成就の仕方が違う恋」という事なんでしょう。

勝手放題な個人主義とは全然違うところで、

「それでも・・・好き、それでも・・・惚れちゃったから・・・」

理屈や単純な利害関係を超えたところで、人と人が結びつく事がある。

「悲劇」ってのは大概、そういう基盤の人間関係から出てくるんでしょうね。

だから、我々・作る側はいつもにも増して、
役が人間臭くないとダメ!
共感出来ないとだめ!
可愛く・愛しくないと・・・遺憾。

俺はこの作品には出てないけどさ(^^:)

一つ、皆さん『悲劇』を観に行きましょうよ。

『人魚姫』をさ。

金城氏は勿論の事、
話を聞くに、カンパニーの全体水位の上昇が、いい感じらしいです。


金城先輩出演の『人魚姫』、
この日記を御覧になった皆様は、是非盛り上げに三越劇場に足をお運びください^^)

金城氏は、 大阪弁のぶちかましキャラ! で、
客席カッサラウ予定だそうであります。

日本橋・三越劇場にて21日から29日まで。
(23日のみ休演日)

詳しい時間等はシャウトHPで。
http://www.shout-enter.com/
posted by 真寤 at 02:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月14日

会津と、太田省吾さん。そして酒。

aizu sake.jpg

福島に行ってきました。

九月、二週間回る文化庁の巡回公演の会場下見・打ち合わせであります。
会場といっても、七割が小学校の体育館ですから、
まさに、福島県の小学校巡りをしていた訳であります。

打ち合わせに小生が・・・?
私、ワタクシ!『公演班責』。
要するに、どさ周りカンパニーの班長なんであります。

班長やって早四年目。
ボチボチ学校の先生方とのお話にも、校長先生が出てきても、
ビビらなくなりました。有難うございます!

下見に行っても、地酒を買って、賞味して・・・などという時間的・精神的余裕を持てるようになったゆえの↑画像です。

『花春』、

あまり辛くない、安価な本醸造であります。
地元の皆さんに、日常的に愛飲されている酒でありましょう。


さて・・・、


福島とは=会津。

白虎隊の美談を今に伝える、
『忠義と礼節』の国であります。
司馬遼太郎曰く


『激変の幕末、会津に想いを馳せるに涙を禁じえない』


中学時代から、白虎隊にイカレテしまった小生は、
23歳の真冬、
「雪の会津」に憧れ、鈍行一人旅。
たどり着いた、飯盛山は、ゆっくりゆっくり降り積もる雪に、
観光客は小生、ただ一人。
もう、いやっ!というほど、
ナルシストな「サムライ巡礼」を雪中3時間堪能した思い出深い土地。
やって来る、巡回の2週間が楽しみであります。

しかしながら、やはり思うのは、先日、会津で起きた凄惨な事件です。

徳と礼節の国で、わが母の首を切った少年の事件。

子供達の前で何かを、「大人が」やって見せる、というのは、
昨今は特に責任重大であります。


・・・・・・・そして、もうひとつ・・・・・・・

その、まさに、会津にて上演する台本の作者である、
太田省吾氏が亡くなりました。

まさに、『巨星堕つ』の感であります。

一つの時代が終わろうとしている、
一つの世代が、空気が、歴史が、無くなろうとしている、そんな感じです。
まだ、お若い。67歳。

上演する作品、『はじめに見えたもの』は、
太田氏の若かりし頃の作品。
当時、まだ食えない新進の劇作家・演出家であった太田氏を見込んだ
劇団エンゼルの高倉代表が書かせた、
当時としては非常に異様な児童劇戯曲でありました。

その上演は、いい意味でも悪い意味でも、
今まで見たこと無い児童劇として動き、
最終的には当時の児童劇界の様々な「賞」を受賞します。

そして太田氏は、もう2作品を劇団エンゼルに書き下ろします。

しかし、そのある種「難解な内容」が、
公演数の伸びを呼ばず、太田氏は児童劇を離れます。

しかし、太田氏は主宰劇団『転形劇場』にて、
その後、世界的な評価を得るまでに。

『アングラ第一世代の旗手』などと書かれていらっしゃいますが、
その同時代の誰もが、鈴木忠志氏、唐十郎氏、別役実氏・・・もが
そうであるように、「世代」という括りでは語れない、
唯一無二の個性を持った、稀代の表現者であった方だと存じます。


福島の公演では、太田氏の戯曲を持って2週間廻ります。

今、演じていて、
やはり、児童劇としても、一つの戯曲としても異色の作品で、
その構成・セリフの奥深さ、世界観の特異さは、
最近の流行作家と比較しても傑出している感は、贔屓目ではないでしょう。

小生は、太田氏の演出を受けた訳でもなく、
勿論、面識すらありません。

しかし、太田氏の作品に取り組んでいる自分は非常に稀な幸運にある、
という感覚を持っているのです。

巨星・巨匠、だからではなく、
大・大・大先輩、太田氏の感性に惚れた者として、
いつもにも増して、
また、ちゃんと取り組もうと思うのです。
(恥ずかしながら小生・主演)

でも、こう言うと、
ついにお会いすることの無かった太田氏がこう仰りそうです。



『ちゃんと、なんてやってもらっちゃ、困るんですよね』


多分、そういう人だったんだと・・・勝手に想像します。
posted by 真寤 at 22:28| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする